掃き溜めアラカルト

多分が余分

辟易

僕が予備校から帰るのは大体夜の9時頃であるが、このくらいの時間帯になると不思議と人間の程度が低くなるものである。その現象は、特に電車の中で顕著であると言えるだろう。

疲労困憊の状態で電車に乗ると、一部の人間、特にサラリーマンの程度の低さに閉口してしまう。酒臭いジャケットを羽織り、かなりの音量で下世話な話を嬉々として話す──むろんそのような低俗な話をするのが悪いなんて言っているわけではない。ただ声が大きいのが不快なのだ。

さらにたちが悪いのが、このような輩ほど他人の迷惑行為に敏感なのである。自分の行動を省みるようなことはほとんど無いのに、他人の行動には人一倍目を剥くのである。いとあさまし。

ただ、自分が彼らに対し倫理的な優位性を持っているか、彼らを俯瞰して嘲っているのかと言えばそうではない。自分もいつ彼らと同じ穴の狢になるかはわからないし、もしかしたら既にそうであるのかもしれない。だからこそ、常に「自省する」ということを忘れずにいたいと思うのである。