掃き溜めアラカルト

多分が余分

二次元の女にガチ恋してしまった話

この世の中には、様々な「愛の形」がある。異性が好きな人、同性が好きな人、また両性を好きになる人。なかにはコマツのダンプトラックHD325-8に恋をする人もいるだろう。

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コマツ製ダンプトラックHD325-8。結構かっこいい*1

僕はいわゆる異性愛者だ。でも、人を好きになることはほとんどない。勿論、完全にないわけではないが、ドラえもんが性器を露出する頻度よりも少ないだろう。最後に人を好きになったのは小学校高学年くらいの時だったっけ。

というのも、中学校に入学してから、僕はいわゆるオタク趣味に傾倒するようになった。日付が変わる頃にテレビを付け、画面いっぱいに映し出されるアニメをひたすら眺めるという生活を暫く続けていた。

しかし、高校生になった途端、一気にアニメを見なくなった。はっきりとした理由は僕にもわからないが、何故か「アニメ」という物象そのものに興味が湧かなくなっていた。その代わりに、今まで殆ど触れずにいた深夜ドラマや海外映画に関心の目が向くようになった。

そんな僕だが、最近ある漫画を買った。

 

*2


そう、「この美術部には問題がある!」だ。

題名どおり美術部を舞台にした作品で、「理想の二次元嫁」を描くことにしか興味のない男子部員、「内巻すばる」と、彼のことが気になってしょうがない女子部員、「宇佐美みずき」を中心に、問題だらけの美術部のゆるい日常を描いた作品だ。これが僕の狭小なストライクゾーンに直撃し、場外ホームランを放ってしまった。

この作品の見所は何と言っても、主要人物のひとりである宇佐美みずきの心情描写だ。

人は好意を持った相手に対して天邪鬼になりがちだ。彼女も例外ではなく、内巻すばるに対して好意を持ちつつも、素直になれずにいつも空回りしてしまう。この作品では、そんな彼女の心情が鮮やかに、そして克明に描かれている。

彼女の姿を追っていくうちに、ある恋に近い一種の感情を抱くようになった。憧憬というべきか、愛慕というべきか。不器用ながらも真正面から自分と向き合う彼女の姿に、一言では言い表せないような感慨を抱くようになった。実在しない人物に、それも平面上の人物にそのような感情を抱くのも変な話かもしれないが、その本質はキャプテン翼を読んでサッカー選手を志した人とさほど変わらないだろう。

 

2017年が終わり、あと1年で平成という時代も終わりを迎える。宇佐美みずきは、今日もひたむきであり続けるだろうか。

*1:www.komatsu.co.jpより引用

*2:comic-walker.comより